私はなぜ境界領域ばかり選んできたのか

振り返ると、私はいつも境界領域にいた気がする。

獣医学。

病理学。

医薬品。

食品。

天然物。

AI。

水処理。

どれも専門分野としては違う。

でも、自分の中では不思議と全部つながっている。

昔、病理画像診断システムの開発に関わった。

当時は、知識処理と画像処理を組み合わせ、診断支援を実現しようとしていた。

今で言えばAIに近い考え方かもしれない。

また別の時には、

化学でケアをする。

そんな発想から、「ケアケミカル」という考え方を提唱したこともあった。

天然物。

水処理。

ライフサイエンス。

個別に見るとバラバラだ。

でも、私の中ではずっと同じ問いだった。

「今ある枠組みで扱えない問題を、どう扱うか」

境界領域は面倒だ。

担当部署がない。

既存分類に入らない。

説明に時間がかかる。

だから、組織では後回しになりやすい。

でも、面白い課題は大抵そこにある。

最近、自分が昔から考えていたことを整理してみた。

Inspiration。

Incubation。

Perspiration。

IIPモデルだ。

ひらめく。

育てる。

汗をかく。

私はたぶん、この真ん中が好きなのだと思う。

研究者でもない。

営業でもない。

技術と市場。

研究と事業。

健康と病気。

その間を行ったり来たりしながら、

境界をつなぐ仕事をしてきた。

昔、CHEMICALという言葉を並べ替えて、HICALMECという造語を考えたことがある。

単なる言葉遊びではない。

そこには、

「一度ガラガラポンして考え直そう」

という意味を込めた。

石油化学だけではない。

医薬だけでもない。

既存の枠組みを一度崩し、組み替え直す。

今思えば、その頃から私はずっと同じことを考えていたのかもしれない。

今やっているHPSも、ClearNextも、その延長線上にある。

振り返ると、私は新しいことが好きだったのではない。

境界領域を放っておけなかっただけなのかもしれない。

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